私は大学は出ていますが、法学部ではありません。
六法なんてみたことありませんでした。司法書士の勉強を始めるまでは。
ましてや、最初は過去問だけで勉強していたので当初はかなり限界を感じていました。
特に、過去問だけだと民事訴訟法系が意味不明…どうやっても理解不能でした。過去問の解説だけでは、なぜこのような手続きになるのか予想できず大苦戦していました。頭の中で一番イメージ化できない科目でした。
きっかけはWセミナーの山本浩司さんが書いた「山本式合格法 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法」でした。
この本は、手続きや法整備がなぜこのようになったのか?実務ではこんなふうにこの法律が適用されているのかを具体的に、散りばめていてくれています。
これが難解な手続きを理解しやすくさせ、ああそうなんだ…といった感触が、記憶、暗記を簡単にしてくれます。問題を解くときに、こんな理由だったから…この肢が正しいはずだ…といったふうに、応用力をつけることができました。
それに比べて他のテキストは、民事訴訟法の条文の順番通りに淡々と手続きを語るだけ…これで理解できなければ一生理解出来ないのかとかなり絶望しました。さっぱり頭に入らず、ただ難解という印象だけが残っていました。
この本に出会う前は、LECなどの予備校で民事訴訟法だけのスポット講座でもないかと探していたくらいです。
そんな山本浩司さんの著作ですが、その後、「オートマチックシステム」として民法から司法書士試験の全科目について発刊、発売されるようになりました。
テキストの書き方や特徴は、先ほどの民事訴訟法の本と全く同じです。
過去問も適度に配置されており、この一冊で司法書士試験に独学で合格するために必要な知識は大体身につくはずです。実際に私がそうでした。
基本的に「知識」はどんなテキストでも身につきます。しかし応用力を身につけるのは難しいです。
独学の厳しさは、テキストや問題集に頼るため、どうしてもその目に入るものの範囲で勉強してしまいがち。それに危機感を感じても、いまいち過去問から脱線しがちで効率が悪くなるという悪循環が特徴です。
実際に過去問から工夫しようとしても、どう工夫してどの範囲まで手を広げるのかさっぱり分かりませんでした。
結果論からいうと、足切りの基準点以上の実力がないと、そもそもそんなプラスアルファの範囲がどこなのか分かるわけないのです。基準点が取れないということは、司法書士試験の全体が分かっていないのですから。
結局全科目のオートマチックシステムを買いました。
結構な金額になりますが、予備校に比べたら安いです。万が一その年の試験に落ちて、さらに法律が改正されても、その改正された科目だけ買い直せば対応していけます。予備校だとまた講座取ったりしますけどお金がいくらあっても足りなくなるでしょう。
オートマチックシステムだけやっていても、基準点には届くと思います。これだけで合格できるのかどうか知りませんが、あと基本問題集とかやっていればなお良いと思います。これでいきなり基準点突破、さらにプラスアルファしたことでそのまま合格できましたので。
それでいて、なぜそうなるのか?なぜこの先例はこんな扱いになっているのか?そういったことがピンと分かる記述が多いです。
こういった直接の解答に結びつかない記述、説明。
これが応用力を高める、身につけさせる仕組み、本著書の特徴であると感じています。
応用力なのですから、今の時点では答えがこうですとは言えないのです。分かっている答えなら覚えればいいだけです。
現場で分からない、けどなんとなく分かりそう。あっ…あの説明の理由と同じことが言える…ならアの肢は切れる…ウも同じかな?じゃあ残るのは5番のエオの組み合わせしかないや。
こんな感じで、結局答えが分からなくても組み合わせで答えが分かることが多くなります。
ただ説明を読んで答えを出しているだけでは無理でした。かなりオートマチックシステムを読んでいく上で、覚えるという作業から、その法律の仕組み、クセといったものが分かってきます。
言葉で覚えた、答えを覚えた、というより、イメージ、解答につながるきっかけでしょうか。
近年、司法書士試験はどんどん難化。ただ暗記すればいい勉強方法はもう通用しないでしょう。
省エネで基礎と応用力をつけ、未知の問題も何とか答えに近づける力が合格に必要だと思います。
こういった作業や勉強、ひらめきは、予備校に通って自分に合う先生と出あえれば結構簡単に手に入ると思います。
独学だと、それなりの勉強理論を持っている人でないとかなり難しいと思います。
その点、オートマチックシステムは、わずかな費用でその解答センスが手に入るのですから、この本がなかったら合格していなかったようにさえ感じます。
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